お正月ってお餅ですよね、
キミエ(分子栄養学カウンセラー)です。
お正月に食べるお餅
新年を迎え、 お餅を朝から食べられた方も多いのではないでしょうか。
お餅ってモチモチして特別感があって美味しいのですが、実は身体的には負担のかかる食材なんです。特に消化力が弱かったり、胃腸や体調が悪かったりする方には特に。
お餅の素材である餅米はお米の仲間ですが、同じお米、炭水化物、デンプンでも細かく見れば違いがあります。
今回は、そのお米と餅米の分子的な違いと身体への影響についてシェアします。
お米の分子構造
私たちが普段主食として食べているお米は、総称してうるち米と呼ばれます。うるち米の分子構造は、
アミロース2割とアミロペクチン8割という割合で構成されています。
アミロースは鎖のように長ーく繋がった分子構造をしていて、米のアミロースはブドウ糖(グルコース)が平均1000個ぐらいつながった分子です。
アミロペクチンは枝分かれが多い、たくさんの枝の鎖がつながってできた大きな分子で、ブドウ糖(グルコース)が1万個以上つながっています。短い枝(グルコース20個ぐらい)と長い枝(40個くらい)が結合してできている構造です。これらが混ざって存在しているのがお米です。
アミロースとアミロペクチンの割合は、お米の品種によって異なっています。
アミロースは、食物繊維の一つであり、炭水化物の多糖類で小腸で消化できないため、大腸内で発酵・分解され腸内細菌の餌となり整腸効果を持っています。
餅米の分子構造
一方、お餅の原料である餅米の分子構造は、同じ米でもうるち米とは違い、
アミロペクチン100%で構成されています。
アミロペクチンが多くなると、枝分かれの部分に水分を抱え込む事ができるため、モチモチと粘り気のあるお餅の食感が出るのです。
枝分かれのアミロペクチンが多いとどうなるか
餅米のようにアミロペクチンが多く枝分かれしていると、グルコース分子を末端から切りやすいポイントが多く存在することになります。
つまり、お餅を食べて消化する際、唾液に含まれる炭水化物の消化酵素アミラーゼが作用するポイントが多く、たくさんのグルコースが切り出せるということです。
グルコースは糖であり、人間の第一エネルギー源ですので、お餅を食べるとエネルギーを沢山作りだせます。
マラソン選手がトレーニング前や朝食にお餅を食べたりするのは、走ることで非常に沢山のエネルギーを必要とするので、同じ量の食事から効率良くエネルギーの材料を摂取するためです。
アミロペクチンが悪さする場合も
健康で胃腸の強いアスリートは、消化力もあり消化酵素も潤沢にあるタイプの方が多いです。
胃腸が弱かったり、体調や体力が低下、消化力も低い方とは体質が違います。
栄養療法に興味があったりこのブログを読んでらっしゃる方は、炭水化物やお餅のデンプンやグリコーゲンを分解するアミラーゼという消化酵素が十分にでていない場合が多いです。
いくらお餅が沢山のエネルギー源であるグルコースを含んでいるとはいえ、消化自体ができにくいので、胃腸に負担がかかり、お餅が体の調子を下げる食材になってしまいます。「腹持ちがよい」というのは、消化がゆっくり≒できにくい、ということです。
また、消化で分解された沢山のグルコースが吸収されると、血糖値も上がりやすくなります。(あんこ餅なんかだとより一層ですね)
例えば、お餅を食べると理論的には、多量のインスリンを必要とし、跳ね上がった血糖は中性脂肪として蓄えられ、あぶれた血糖は血中に行き場をなくし、高血糖の状態になりやすくなると考えられます。
健康な方ではなんともないかもしれませんが、低血糖症やインスリン抵抗性があるなど、血糖コントロールが悪い方の場合は不調を招く可能性が高いです。多量のインスリン分泌の時点で負担がかりなんだかザワザワゾワゾワして、その後すごく眠くなったり頭が痛いなど、調子が悪くなり体感が良くない事が多いようです。(私もそうです)
消化できない食べ物は、腸の負担にしかなりません。腸の不調がその他臓器や全身状態に影響を与えることで、不調が強くでるという関係かもしれません。また、糖が多いお餅は、未消化なら余計にカンジダなど糖を欲する菌の餌となってしまいます。
お餅はほどほどに
胃腸が弱かったり、腸内環境が悪い、体調が優れない方は、お餅は少量にしてよーく噛んで食べてくださいね。
そうでない健康な方も、お餅の食べ過ぎや連続摂取は、正月太りや体調、腸内環境の低下を招く可能性が高いのでご注意を。
食べて体が重くなったな〜って時は、運動して、腸を動かし摂取したグルコースを消費してくださいね。
体に負担のかかる食べ物であるからこそ、歴史的にも昔から常食しない、たまにしか食べない食品でもあります。
体質に合わせて、お正月の食事を最適化し、軽い体で一年のスタートを切りましょう〜^^
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