まだまだカンジダについて知らない方が多い印象の、キミエ(分子栄養学カウンセラー)です。
カンジダって聞いたことありますか?
カンジダ、この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
聞いたことがない方もいらっしゃると思いますが、
女性は膣カンジダでご存知の方も多いかと思います。
実はこのカンジダ、さまざまな不調の原因になっていることは栄養療法界隈では有名ですが、まだまだ一般的でありません。
しかし、気づかないうちにカンジダに脅かされている場合が非常に多いので今回は、そんなカンジダが起こす不調についてシェアします。
腸管カンジダ
カンジダは真菌というカビの一種です。私達の皮膚や身体に常在菌として存在していて、腸にも腸内細菌として住んでいます。
体のバランスが整っていて健康であれば、常在菌であるカンジダの存在は全く問題にならないのですが、体の不調や病気があったり、便秘、下痢、お腹が張るなどお腹の問題がある場合は非常に問題になってきます。
腸の中でカンジダが異常繁殖し、種々の体に害のある物質を産生するため不快な症状を起こします。
さらにその症状や原因がカンジダだと気づかないために慢性化して次なる不調を呼ぶという悪循環ができてしまいます。
これが腸管カンジダです。
腸管カンジダになると何が起こる?
腸にカンジダが異常繁殖すると、さまざまな問題が起きてきます。
リーキーガット症候群 LGS
カンジダは少ない状態だと勢力がなくおとなしいのですが、勢力を持ったり、成長すると酵母の形から形態を変え、菌糸を伸ばすようになります。
イメージはお風呂のカビ退治CMで見るようなタイルの奥に根を張るようにして、菌糸が腸の壁に根をはり、腸に穴を開けてしまうのです。
これはリーキーガット症候群(Leaky gut syndrome)の原因にもなります。
膣カンジダ
腸と膣は場所も近く、粘膜でできており常に湿った状態にある場所です。カビであるカンジダが住みやすい場所になります。
膣内にも腸内細菌叢に似た菌叢が形成されるため、膣カンジダがあったり過去なったことがあるという方は、腸管カンジダもあることが非常に多いです。
膣カンジダを繰り返す場合、腸カンジダを治さないと治ってこないようです。
Recurrent vaginal candidiasis. Importance of an intestinal reservoir
膣カンジタを持っている全員に腸カンジタが見られた。逆に、腸カンジタがいない人には膣にもいなかった。これは、再発性のカンジタの性質を的確に表している。つまりカンジタ膣炎の治癒は腸の治療なしにはあり得ない。
また、同じ消化管粘膜である舌に白い苔が多かったり、繰り返す膀胱炎もカンジダ由来な場合があります。
慢性疲労
カンジダも生きているので、生きるためにはエサが必要です。
通常、良性の腸内細菌は水溶性食物繊維などをエサにし活動しますが、カンジダは糖分をエサとします。
異常繁殖したカンジダが存在している場合、エネルギー源として糖分を食べているつもりでも、カンジダに糖を横取りされてしまい、カンジダばっかり元気に活動して自分に糖やエネルギーが回ってこず、エネルギーが作れなく慢性的に疲労感が。。。なんてことも起こります。
また、カンジダの作り出す物質自体が人間のエネルギー産生回路を阻害しストップさせてしまいます。
ブレインフォグ
お酒の醸造をするとき、酵母菌の力を借りてアルコールを作るように、腸管にすむカンジダも糖分をエサとし、アルコールを作り出します。
そのため、増えすぎたカンジダが腸内にいると自分のお腹の中でアルコールを作り出し、それが腸管から吸収され体を巡ってしまい、お酒を飲んでいないのにお酒に酔った、または二日酔いのような状態になることがあります。
以前ニュースでお酒を飲んでいないのに飲酒検問に捕まった男性の記事があります。自家醸造しちゃってるんですね。
飲酒運転疑われた男性、「腸発酵症候群」だった 体内でアルコール醸造
また、お酒に強い体質なら、そこまで体調に変化を感じないかも知れませんが、常時アルコールが多く体内にあると確実に頭の回転や明瞭感は落ちることになります。
お酒に弱い場合は、より強いだるさや肝臓でのアルコール分解負担がかかり頭痛や頭に霧がかったようなモヤモヤが取れなくなります。
このような状態をブレインフォグ(脳の霧)と言いいます。
ブレインフォグが起こる原因はいくつかありますが、カンジダが原因のことも多いです。
甘いもの欲求
カンジダは糖をエサとするため、沢山のカンジダがいるとそれだけエサを要求するようになるようです。
カンジダは炭水化物のような複雑な糖質ではなく、砂糖のような単純糖質を好みます。
カタツムリに寄生するロイコクロリディウムが鳥に食べられやすくなるようカタツムリの行動を変えるように、体内にカンジダがいるとカンジダの好む砂糖のような甘いものを非常に欲してたまらなくなるという現象が起こるようです。
実際カンジダの代謝物が多く検出される方では甘いもの欲求がすごくあった、という声をよく聞きます。
カンジダは寄生虫ではありませんが宿主の私たちの体で生活していることに変わりありません。
食事を食べたのにソワソワしたり、ケーキやスイーツ、甘い飲み物を飲まないと落ち着かない、なんてことが起きてきます。
バイオフィルムの形成
またカンジダ菌がコロニーを作り、腸管にはびこると自分の住処を作ろうとします。
カンジダ菌は菌体内物質として人が消化できない食物繊維成分であるセルロースを分泌し、セルロースによる防護壁を腸内に作りあげます。
これがバイオフィルムと呼ばれ、腸管カンジダを治りにくくさせます。
イメージとしては、排水溝のヌルヌルしたヌメリが菌によって作られたバイオフィルムです。あれが腸のなかにもできてしまうんです。
免疫力が低下した方など、消化管にカメラを入れると目で確認ができるほど白くカンジダのコロニーがある場合もあります。
まずは腸管カンジダの存在を知っておきましょう
上記に挙げたものは腸管カンジダが起こす影響の一部です。
難病と言われる病気でカンジダが関係していることも多くあり、異常繁殖すると非常に厄介で気付きにくいのがカンジダです。
現代人は、甘いお菓子やスイーツ、糖分の多い飲料、非常に簡単に手に入れることができますし、その質も悪いため、よりカンジダがはびこりやすいです。
まずは腸管カンジダというものがあると知り、
もしかしたらそうかも、、、と思った方はカンジダ情報をチェックしてみましょう。
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