毛髪でカラダのミネラル状態が予想できるんです、
キミエ(分子栄養学カウンセラー)です。
毛髪ミネラル検査の見方
前回、私の結果をもとに、毛髪ミネラル検査の見方Part1で有害金属の項目についてシェアしました。
(Part1はこちら)
今回は、毛髪ミネラル検査について【Part2】です。
必須ミネラルについて
毛髪は1か月で1㎝伸び、体の中で最も早く成長する組織です。3㎝切り取って検査に出すので、3か月分の体組織を分析するのが毛髪ミネラル検査です。
もっと細かく表現すると、根本に近い3㎝の毛髪は、細胞外液のミネラル3か月間の変化を記録した書類のようなものです。
不調がある場合、本当は、細胞内のミトコンドリアの状態を確認したいのですが、できないので(汗)。
血液検査や毛髪検査で細胞の外にでた組織から細胞内の状態を予想していきます。
特にミネラルは、細胞の外にあるときホメオスタシス(恒常性)が働いて、一定量を保とうとしてしまうため、
採血した瞬間を切り取る血液検査だとミネラルの過不足が見えにくくなります。
ですが、毛髪だと3か月間を平均して見ることができ、体に必須なミネラルのわずかな過不足を判定しやすいのです。
ストレス状態、ミトコンドリア状態、うつ、パニック、胃腸、重金属の蓄積といった問題を毛髪検査で推測可能です。
必要素項目の全体的な見方
必要素という下半分のデータを見ていきます。カラダに必須な種々のミネラル状態を推測できます。
パーセンタイルの欄にある
棒が右に伸びていれば、毛髪中の量が多い、
棒が左に伸びていれば、毛髪中の量が少ない、と見ます。
背景の赤、黄、緑、白の範囲はレベル分けです。
レベル高 赤>黄>緑>白 レベル低
全体的にみて左側に棒が伸びている項目が多いので、毛髪中のミネラルが少ない状態であるといえます。
胃腸機能がよくなく、ミネラル吸収が悪いタイプの特徴です。
腸内環境が悪い人も同じく左に寄るようです。こういう場合、カウンティングルールにのっとらなくても、おおかたミネラル輸送障害がおきていると予想できます。
(今回も毛髪ミネラル検査のカウンティングルール詳細は省きます。今回の結果はカウントでもミネラルの輸送障害があると見なせます)
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)
骨の脱灰・再吸収バランスはカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)をみます。
・Ca↑、Mg↑…脱灰(カルシウムが溶け出すこと)
・Ca↓、Mg↓…副甲状腺機能低下やビタミンD、K不足
両方とも同じくらい真ん中にあるのが理想的です。
毛髪ミネラルのCa、Mgは体内量を反映しているわけではないので、真ん中にあってもカラダに充足してるとは言えません。
結果は、ある程度真ん中なので問題ないように見えます。
しかし、ホメオスタシスによりMgは貯蔵されている骨から出てきてしまうので、これだけではMg充足してるとは言えないのです。
症状でMg不足がないかどうか、合わせて考えることが大事です。
脱灰がある場合は、1.副甲状腺、2.酸性食品が多い(過剰な肉食など)、3.Mg不足 が考えられますが、2.3.がポピュラーです。
ナトリウム(Na)、カリウム(K)
副腎疲労(HPA軸機能障害)などのホルモンバランスはナトリウム(Na)、カリウム(K)を見ます。
・Na↑、K↑…副腎疲労の初期でコルチゾールの消耗多く分泌多い
・Na↓、K↓…副腎疲労の末期でコルチゾールがスカスカで分泌少ない
結果はどちらでもないので、副腎からのコルチゾール分泌は大丈夫、または末期から回復中かもしれません。
(実際唾液コルチゾールもほぼOKでした)
しかし症状として低血糖は起きていたので、他の問題があると思われます。
ナトリウム、カリウムは体内量とは関係なく排泄量が決まります。
Kが多くNaが少ないので、本来は細胞内に多いカリウムが細胞外に多くなっているようです。
副腎から分泌されるアルドステロンというホルモンが多くなると、カリウム排泄が多くなるので、副腎の負担はありそうです。
カリウムが不足すると浮腫みやすくなるので、浮腫み症状があったのはこのせいかもしれません。
また、カリウムが低下すると筋肉と神経に影響を与えるので、手足の脱力感、筋肉痛、動悸などが出やすくなります。
手足に力が入りにい症状があったので、副腎のアルドステロン分泌のせいかもしれません。
アルドステロンはコルチゾールと同じく、ストレスによる交感神経緊張で分泌が促されるので、ストレスが多い状態ということが考えられます。(実際、慢性炎症が2つあった)
甲状腺機能亢進でも毛髪カリウムが高くなり、細胞膜Na/Kポンプが異常に働きすぎて、血中カリウムが低下して周期性四肢麻痺という手足のしびれが出ることもあるそうです。
私は甲状腺機能は低下傾向なので手足の感覚はアルドステロンの影響が強そうです。
銅(Cu)、亜鉛(Zn)
抗酸化力やエストロゲンの過剰具合は 銅(Cu)、亜鉛(Zn)をみます。
まずは亜鉛について。
Zn↓…消化酵素の補充が必須です。
膵臓中の消化酵素の量(活性)と体内の亜鉛量の間には直接的な関係があり、亜鉛不足だと消化酵素分泌も低下しているという関係があります。
糖代謝に必須のインスリンや解毒物質のメタロチオネンは多く亜鉛を含むので、不足すると糖処理や抗酸化、解毒がうまくできなくなります。
Zn↑…有害重金属の水銀が蓄積している可能性があります。
水銀(Hg)のせいで毛髪の伸びが遅くなり毛根で亜鉛が濃縮されるためです。
亜鉛は体内貯蔵量とは反対に動くミネラルです。
この検査をした時、亜鉛サプリは飲んでいませんでした。
亜鉛意識の食事もしておらず、体調悪い、爪は脆く割れやすい、髪も抜けやすく細いため、亜鉛不足の傾向はありました。
ということは、かなり亜鉛不足しているのに、水銀汚染の影響で毛髪亜鉛が濃縮されて、このくらいの結果になっている可能性があります。
亜鉛サプリ補給で髪や爪は強くなりました。
毛髪ミネラル検査の銅は体内量を表します。
Cu↑…エストロゲン体内濃度が高い、炎症の可能性
Cu↓…貧血、成長障害、免疫低下、白髪
エストロゲンと、銅を運ぶセルロプラスミンというタンパクはセットな為、銅が高いとエストロゲンも高いようです。
環境ホルモン(エストロゲン類似物質)の摂取に注意し、過剰エストロゲンを分解してくれる肝臓の負担を減らしたいですね。
また、体内に炎症があると銅は高くなります。今回の結果は高くないのでOKですが、亜鉛不足があると銅の影響が強く出てイライラしやすくなります。
マンガン(Mn)、クロム(Cr)
マンガン(Mn)、クロム(Cr)は血糖コントロールにかかわるミネラルです。
不足すると低血糖や高血糖などの血糖値乱高下になりやすいそう。高血糖や低血糖、食後に眠気がくるなど症状はMn、Cr不足かもしれません。
同じ血糖コントロールにかかわるミネラルとしてはバナジウム(V)があります。
また、マンガン不足の場合、H.ピロリ菌の存在も考えられます。
他には、マンガンはピルビン酸デヒドロゲナーゼというエネルギーを作る酵素の補酵素として働きます。糖(グルコース)やアミノ酸から作られたピルビン酸が、アセチルCoAとなりTCAサイクルに入ってATPを作るためにマンガンが必要です。
マンガンは過剰でも不調が出るので結構大事なミネラルです。
鉄(Fe)
鉄(Fe)は体内貯蔵量を表します。
結果は不足なので、鉄欠乏状態です。
鉄欠乏だとエネルギー産生ができず、疲れやすさの原因になります。
体内に炎症があると鉄の代謝が止まってしまうので、炎症の影響かもしれません。
炎症があって鉄代謝が止まっていると、鉄サプリで補給をしても意味を成さないので注意が必要です。
また、カンジダや連鎖球菌感染を増やし腸内環境を悪化させる可能性があるので、鉄サプリは諸刃の剣として気を付けて使わないといけません。
(試すならラクトフェリンがおすすめです)
リチウム(Li)、コバルト(Co)
リチウム(Li)、コバルト(Co)、はDD社のデータとして少なく出やすいそう。
結果はLiもCoも不足しています。
Li不足はビタミンB12利用障害につながり、血液データのMCV項目やメチレーションに影響してきます。
低メチレーション状態だとこのようなデータになりやすいそう。(私は本来高メチレーションなのですが)
Coは体内でビタミンB12が使えているかどうかの指標になります。(メチルコバラミン、アデノシルコバラミン)
Coが低いと、B12が体内にないのではなく、上手く使えてない、と見れます。B12が使えていないと、メチレーションが回らず解毒ができる状態ではないと見れます。
Li、Co不足から、B12が使えておらず、メチレーションが回っていないことが予想できます。解毒、DNAやRNAの産生、ドーパミンの産生、動脈硬化やがんの予防、免疫の調整ができなくなっているようです。
Liはドーパミン産生酵素を刺激するので、Li不足で低ドーパミン(やる気がでない)になりやすいです。
また、LiはCOMTというアドレナリンやノルアドレナリン、エストロゲンを分解する酵素の活性を強くしてくれます。
そのため、Liが不足するとイライラや不安が強くエストロゲン過剰になりやすい傾向があります。
私はこれらの症状があったので実際にLiが不足していた可能性が高いです。
Liはトレースミネラルで補充が可能なので、使っています。
あなたの検査結果はどうでしたか?
他にも細かく見れる点は沢山ありますが、だいたい見るポイントはこのような感じです。
結果の見方が難しく、解析は大変ですよね。
ですが、自分の状態を把握するのにとても有用な検査なので、ぜひやってみてくださいね。
どなたかの参考になれば幸いです。
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